2015年8月30日の対談



Y: 健さん、こんにちは。 

Aloha健:  Aloha!

Y: 夏休みが終わりました。お受験熱が加速する時期になってきましたね。

Aloha健: 「お」受験ってなんや! なんでも「お」をつけたら上品と思ったら大間違いやで!

Y: いや、でも「お」は、そういう趣旨の言葉なので。

Aloha健: お祝い事にはお寿司、お漬物にお味噌汁、なんでもかんでも「お」をつけすぎや! 祝い事には寿司、漬物と味噌汁でいいんや。そうやって「お」を付けまくってきたから、受験も「お受験」とか言う人が増えてきて、既に一部には定着してるんや。この風潮が加速して、世の中がおかしくなってきていることにあまり気づかれてないけど、今人々が使っているパソコンには「お気に入り」というフォルダが最初から勝手に作られているんや。へんやろ?自分が気に入っているものを集めるフォルダに、「お」がついてるとは、どういうことや。「気に入り」に変えろっちゅうねん。

Y: (それは言葉を飾る敬語の一種、美化語や)はぁ。では「お」が本当に必要な言葉以外、「お」をつけるのを止めろと?

Aloha健: そうや、そうや! そこに人が持つ言葉的センスや知識が反映されるっちゅうわけや。 例えば「お」が要らない顕著な例だけど、お母さんは子供に「おやつよ〜」なんて言ってたらナンセンスや。「やつよ〜」と言って伝わるように躾けなあかん。 

Y:(始まったな) おやつは「お八つ」で昔の時間の数え方の八つ目(午後2-4時)という意味ですが、時間を数えるのに「お」は要らず「八つ」だけでいいということですか? 

Aloha健: そうやそうや! いい解説をしてくれた。 あとは奈良時代から急速に人はおならに照れを感じるようになったから「お奈良」という言葉が生まれたけど、「さすがに地名が腸内ガスを指すのはイマイチじゃない?」という人々の声により、ひらがな表記の「おなら」になった。だから「おなら」は元々「お奈良」やから「お」は外して「なら」でいいんや。 

Y: (何を言うとんねん)おならは奈良時代じゃなく、室町時代に使われ始めた女房詞ですよ。「鳴らす」の連用形が名詞化して「鳴らし」、それに「お」をつけて「お鳴らし」が語源ですが、これも「お」をつける必要はないということですね。でもそれならば「ならし」にすべきじゃないですか。 

Aloha健: だまらっしゃい。 次は逆に「お」が必要な例を教えるけど、今をときめく嵐の大野智は、ほんまは「野智」やったんや。でも「のさとし」じゃあファンが付きにくいということでジャニーさんが「YOU!「お」を二つつけちゃいなよ!」と言ったから「大野智」になったんやけど、ジャニーさんの提案は策略として俺も正しいと思うわ。同じような例が元AKBの「大島優子」やけど、元々は「島優子」や。でも「島優子」じゃ昭和の女優みたいでイメージが暗いから、秋元康が「『大島優子』に決まりね!『お』を二つつけとけば丁寧な感じだし」と言って大島優子になったんや。

Y: (もうええわ)そうですか、わかりました。 今日はいろいろと知れてよかったです。 健さんは本当は「かもと健」さんなんですか?

Aloha健: そうや。改めて言われると照れるがな。ほな、波が れ を呼んでるし、波乗り行ってくるわー マハローさいならー!

Y: (アホや)