2015年9月30日の対談



Y: 健さん、こんにちは。 

Aloha健:  Aloha!

Y: 健さんは教育業界に身をおいて20年以上ですが、「教育」を定義すると何だと思いますか。

Aloha健: そうやな。誰から誰への教育かによって変わるけど。

Y: じゃあ親から子への教育だとしましょう。教育の語義はeducationの語源であるラテン語educatioエドゥカティオで、<抽き出す>という意味ですが。

Aloha健: 親が子供にする教育とは「子供を社会化する」こと、つまり社会で生きていけるようにすることや。Y君が言ったように、その素質を抽き出すということでもいい。

Y: 人間が社会化するためには、お金を稼がないといけませんね。あまり子どもの前ではお金の話をしない親子関係のほうが多いのではないでしょうか。

Aloha健:  そうかもしれへんね。子どもにもお金の話は具体的にどんどん話されるべきことで、いやらしい話では決してないと思う。お金を稼ぐというのは、何らかのスキルの行使を通じて対価を得るということで、スキルの獲得・習熟に希少性があるほど、高い対価と敬意を受け、職業人として有利なポジションにつくことができる。お金を稼ぐことは稼がないことより良いことだけど、稼げるからといってそれが「良い」仕事というわけでもない。「良い」仕事とは、高給であるよりも、他者からの敬意を受けられる仕事だと思う。仕事をしているときに、自己中な客にへりくだる、不公平で威張り散らす上司に翻弄される、おべっかだけの同僚や反抗的な部下などの人間関係に苦悩する、という環境だと、人はどれだけ高給であっても、その環境に耐えることはあまりできない。それより薄給でも、これらの人間関係がない、つまり自分が敬意を受けられる環境だと仕事を楽しむことができる。もちろん言うまでもないけど、敬意を受け、且つ高給である仕事がいいのは間違いがない。

Y: 現代は起業したり、SOHOだったり、会社に属す働き方以外を選んでいる人が以前より多いですが、「お金を稼ぐ」ことの根本は同じですね。

Aloha健: そうやね。大学全入になり、大学1年生の学力の平均は30年前の中3レベルまで落ちていると言われている。大卒というだけでは意味はなく、十数年教育を受けても、敬意なし薄給労働に就くことになる人が続出している。今、中学生・高校生で「勉強なんかいいや」と思っていて、且つ他に自分がスキルを上げたいと思う道を積極的に模索していない人は、自分が持っている想像力をフルに活用しイメージしてほしい。例えば15歳だとすると、今まで生きてきた年数をあともう1回繰り返している頃には、社会的に上昇するチャンスはなく、情報からも疎外され、薄給で敬意を払われない人生が待っているかもしれない。子供社会に置き換えて考えてみると、学校では日陰の存在で敬意も注目も払われず、先生や親からも見放され(無視され)、誰も自分にかまってくれる人がおらず、しかし毎日毎日学校に行かないと、食べるものもなく住むところもない、というようなものや。「別にそれでいい」と思う人は日々安穏と暮らせばいいけど、「そんな人生は嫌だ」と思う人は積極的に自分が生きていく方向を模索した方がいい。すごく単純な話や。そしてただ単にスキルを上げるだけでなく、知性を涵養することを心がけてほしい。 

Y: 知識より知性ですね?

Aloha健: スキルを身に付けたからといって他者より有利な職業選択権を得るだけで、その選択によって満たされるのか、幸せなのか、楽しいのかどうかは別問題や。また、一部を除き、人気業界は時代と共に、鉄鋼造船ゼネコン→金融証券→マスコミ広告などと変わるし、ほんの少し前に人気だった会社が倒産したりもする。だからいくら知識を詰めたって、何が待ち構えているか分からない。どう人生を拓いていくかは、学習によって裏付けられた知性にかかっていると思うからや。

Y: ところでなぜ「男子諸君へ」という題名なのですか。男性に頼って専業主婦として生きていくことのリスクが大きすぎると気づいた現代の女性は勤労意識が高いですし、男性と同様に敬意を受け、且つ高給である仕事がいいと思う女性が多いと思うのですが。

Aloha健: フェミニストには怒られそうだけど、今のこの時代でも男と女ではやはり少し違うと思うんや。女には「愛嬌」「見た目のよさ」「気配りややさしさ」など、生きていくための素質やら術が男より多い。一応、男に頼って生きていっても、白い目では見られないわけやから。でも男子は端的にいうと、何がなくともまずは稼がないといけない未来が確実に待っている。この「確実に待っている」のが女子とは違うと思う。そうは言っても人間はペナルティがなければほとんど必ず悪いことをするけど、プラスのインセンティブがあったからといって必ずしも「よいこと」をするわけではないので、努力するのは難しいのかもしれん。まあでも、自分も含めて男子諸君よ、日々精進していこうぜ!と言いたいわけや。ほな、波が俺を呼んでるし、波乗り行ってくるわー マハローさいならー!

Y: (自分も含めて男子って・・・)